緒言
第一編 総説
一 樂器の種別
樂器の分類,絃樂器,管樂器,撃樂器
二 竹属樂器
竹属樂器,尺八と笛
三 本邦に於ける笛の略史
我國笛の略史,固有の笛,唐韓樂の笛の渡來,笛の盛況
四 唐韓樂の笛
唐韓樂の笛,中管,横笛・長笛,高麗笛,百済笛,笙,■[しょう],篳篥,莫目
五 支那に於ける笛の起源
支那の笛の起源,邱仲,羌中,黄帝
第二編 尺八の名稱
第一章 尺八の稱呼
一 ■[たけかんむりに尺]■[たけかんむりに八]
二 さくはちの笛
三 短笛
四 尺八管
五 中管
六 鋻[けん]笛
七 楊貴妃
八 洞■[しょう]
九 一節切尺八
十 小竹
十一 虚鐸
第二章 尺八の語源
一 一尺八寸説
二 一尺八分説
古管の寸法,唐の小尺
第三編 尺八の起源
一 呂才説
二 囘向寺僧説
三 張伯説
四 猿骨説
附 洞■[しょう]辯
洞■[しょう]の解
第四編 尺八の變遷
第一章 変遷の概觀
一 支那
支那に於ける尺八の沿革,起源,唐時代の盛況,遼代の樂器,赤壁賦の洞■[しょう]
二 本邦
我國に於ける尺八の沿革,雅樂用尺八,一節切尺八,虚無僧尺八,現代尺八
第二章 上代の尺八
一 聖徳太子の尺八
聖徳太子,法隆寺に傳はる尺八,聖徳太子と音樂
二 正倉院の尺八
正倉院の御物,東大寺献物帳,正倉院尺八の形状
三 西大寺の尺八
西大寺の尺八
四 雅樂寮の尺八
雅樂寮,大同四年の太政官符,嘉祥元年の太政官符
五 清和朝の尺八
貞保親王,慈覺大師
六 源氏物語の尺八
源氏物語の一節,尺八の中絶
七 後白河朝の尺八
後白河朝尺八の再興,信西入道古樂圖の尺八
八 後深草朝の尺八
法燈國師,十訓抄
九 懐良親王の尺八
懐良親王と尺八
第三章 一節切尺八
一 一節切の形状
一節切尺八の形状
二 一節切の起源
一節切尺八の起源,宗佐
三 一節切の沿革
一節切尺八の沿革,頓阿作の尺八,朗菴,一路叟,一休禪師,體源抄の尺八,大森宗勲,一節切の全盛期,
山崎正峰所蔵の尺八,一節切尺八の衰退期
附 小竹
小竹
第四章 虚無僧尺八
第一節 佛徒と尺八
上代の尺八一節切尺八虚無僧尺八の各異同ある點,佛徒と尺八の關係
第二節 虚無僧の起源
一 暮露
暮露ぼろぼろぼろんじ、馬聖,暮露の由來,虚無僧の字の古書に見えたる始
二 薦僧
虚無僧の由來,虚無の字義
三 虚無僧の起源に關する諸説
(一)覺阿の事
(二)法燈國師の事
(三)寄竹の事
(四)金先の事
(五)楠正勝の事
楠正勝,正史の正勝事蹟,正勝と傑堂能勝禪師,虚鐸傳記國字解,朗菴
第三節 普化宗の由來
一 普化禪師
普化宗の開祖,普化禪師
二 普化宗の宗義
普化宗の本義
三 普化宗の寺院
普化宗の流派,普化宗の本寺,一月寺,鈴法寺,番所,普化寺諸役
第四節 虚無僧の全盛期
一 慶長十九年の掟書
徳川禁令考所載の掟書,天保二年鈴法寺提出の掟書,寛政四年兩本寺提出の掟書,兎園小説所載の掟書,圖書管寫本の掟書,
慶長十九年掟書の疑義,普化宗と仙石騒動
二 延寶五年の法度
普化寺住職の事,虚無僧取立の事,本則の授與
三 寶暦九年の令達
宗紀振■竹名禁止
第五節 虚無僧の終末期
一 虚無僧の跋扈
二 安永三年の令達
三 弘化四年の触書
四 民間の吹管
虚無僧以外の吹管
五 普化宗廢止
附 虚無僧風像の變遷
徳川時代虚無僧の風俗,虚無僧茶筌を賣る事
第六節 侠客と尺八
侠客の尺八
一 大島逸兵衛
二 雁金文七
第五章 現代の尺八
第一節 現代尺八の性質
一 樂器時代と法器時代
尺八の樂器時代,尺八の法器時代
二 性質上の復古
尺八の復古
第二節 尺八勃興の徑路
一 中央に於ける尺八
(一)琴古
初代琴古,岡秀益,二代目琴古,三代目琴古,四代目琴古,琴古流相傳
(二)吉田耕三(一調)
吉田耕三,吉田耕三の手記,久松風陽,久松風陽の手記,
(三)荒木半三郎(古童)
荒木半三郎,豊田勝五郎,明治初年の衰徴,名士の尺八,長三州と荒木古童,原信存,上原六四郎
二 地方に於ける尺八
眞島鶴堂,嘉竹,杉山素扇,津田雪呈,近藤宗悦,木田鶴彦,塚原玉堂,都山流,兼友西園,内田紫山,明暗流,
村瀬竹翁,岡田魯山
第五編 結論
一 歴史より觀たる尺八
二 材料、構造、音等より觀たる尺八
樂器として觀たる尺八,尺八の材料,尺八の構造,尺八の樂音,尺八の吹奏と精神修養,尺八の吹奏と健康の保全